第6日

予報どおり、朝はどんより」曇った天気で、腰が重くなります。でも今日は、6時からMETのレクチャーを聞き、そのまま8時からオペラなので、早く行動を起こさないといけません。そこで10時半(早くないか)ごろ、SOHOのディーン&デルーカに出かけたのですが、Qラインのホームで、一足先に出かけていたyokoさんや義理の妹さんたちとばったり。先に来たBにyokoさんとスタッフKさんが乗って、後の3人でQに。有名レストランのシェフをしている妹さんたちに、うちのお客さんで、レストランにもよく行く方よ、とyokoさんが紹介してくれたので、Canal Stで私が乗り換えのために降りるまで、ユニオンスクエアカフェが東京に出た話とか、クリスピークリームも出て、すごい行列で2時間待ちだとか、地下鉄車内の轟音の中でしゃべるというより叫んでたような気が・・。
Canalでローカルに乗り換えて一駅、久しぶりでMoMAのアートショップに寄った後、D&Dでおみやげを買ったついでに、夜食を買って帰ったほうが・・と気づいて、フランスパンとチーズの小ぶりでうまそうなのを買い、アトランティックAvの駅から出たところにいつも出ている、果物売りの兄ちゃんからりんごとバナナを買って、ワンハンドレッドに帰り着いたのがちょうどお昼ごろでした。パンとりんごとチーズを、パーラーに持って下り、ハーブティ(いつでも飲めるようになってます)をいれて半分を昼食に。チーズが想像とちがった味だったけどうまかったのでよし。
その後、Max Brennerのチョコを買って帰ろうと思いつき、またまたQでユニオンSqまで行き、おみやげ購入(今回いつになく、みやげが多くなっています)。そこで、夜まであの昼飯じゃあ保たないので、もう一駅Rに乗ってマディソンSqパークに行き、Shake Shackでシカゴドッグとコークを購入。今日は殆ど行列なしで、すぐに食べられました。前は、注文のときに名前を聞かれ、出来たら大声で名前を呼ぶという原始的な方法だったんですが、日本のフードコートで渡されるようなアラームを渡されたのには驚きました。第6日_b0040245_20121638.jpg

食べ終わったのが4時ごろだったので、もう一度ワンハンドレッドまで戻り、チョコレートを冷蔵庫に入れて、リンカーンセンターに向かいました。
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今日のオペラは、グルックのオルフェオとユーリディーチェという古いオペラです。名前が知られている割に、上演されることが少なく、以前神戸で地元のオペラ団体の公演があったときに、前日のゲネプロ(通し稽古)に潜り込んで見たことがある程度でした。そのときはあんまりおもしろくなかったという印象が残ってるんですが、METの舞台だからきっと面白かろうと楽しみにしてきました。
先ず6時からレクチャーです。レクチャ-も3回目で、だいぶ慣れてきました。声のいい人がはっきりしゃべってくれると、なんとか聞き取れるものですね。当時の演奏習慣の話が多かったのですが、この頃のオペラと切っても切れないのが、カストラート(将来有望なボーイソプラノを去勢して声変わりさせなくした人たち)の存在ですが、オルフェオの役がまさに、当時はカストラートが歌ってた役でした。現代では、カウンター・テナーや女声が歌うのですが、高い音域から低い音域までを、女性の音域と男性の体力を併せ持ったカストラートのように完全にこなすのはむずかしいというのが興味深かったです。それにからめて、去勢されても、歌手として大成するのはほんの一握りで、あとの大多数は残りの長い人生を意味なく過ごすことになった、と聞いてぞっとしました。

肝心のオペラの中身はどうだったのか?登場人物が、詩人で芸術家のオルフェオと毒蛇に咬まれて死んでしまった、妻のユーリディーチェとキューピッド(アモーレ)の3人だけ、それも、後の2人はどちらもソプラノで、オルフェオは今回カウンターテナーで、声を聞くだけだと女声ばかりです。そして、休憩なしの1時間40分という短さ。話がどんどん適当に(本当に適当な感じです)進んで、あれよあれよという間にハッピーエンド!その間、特に感動的なアリアも技巧的に感心するようなものもなにもなし。がっかりでした。レバインがせっかく前日休んで、満を持して出てきたはずなのに、これじゃあ逆のほうが良かったんじゃないの?と聞きたくなりました。
舞台の周りに上段が天井につかえそうな、3段のひな壇がしつらえられ、そこにずらりと色んな時代や国の衣装を着けた人たちがならび、けっこうお金のかかった装置ですが、なんの意味があるのかよく分かりません。衣装も3人の主役は現代の普通の服で、キューピッドなんかコットンパンツにTシャツ(の背中に羽根が付いてる)です。歌の合間にバレーのシーンが多いけど、振り付けがひどくて、きれいでもなんでもない。
新演出のプレミエ(初日)だけあって、周りは着飾った人たちが多いし、100ドルのドレスサークル、2列目のはじっこの席だったのに、周りに人がいっぱいいるのがいやだ、というおばさんが代わってくれと言って差し出した席が、275ドルするオーケストラJ列(10列目?)のど真ん中で、ずいぶん得したはずなんですが、あんまりうれしくなかったな。
by shoeenoki | 2007-05-03 22:18 | New York